うちには大変心強いアドバイザーがいます。
叔母、91歳。一昨年亡くなった母の姉です。10年前に夫を看取り、それから一人で生活しています。
叔母達一家は父親(私の祖父)の仕事で上海に渡り、上海で父親が病没、直後に終戦を迎え、長崎の親族を頼って引き揚げてきました。
上海で受けた手術の失敗で一生左足を曲げることができなくなり、若くして障がい者となってしまいました。
そこで母親はこの子になんとか生きる術を身に着けさせようと長崎の洋裁学校に通わせました。それが叔母の洋裁との出会いです。
洋裁の技術を身に着けた叔母は、長崎市の大通り沿いに洋裁教室を構えました。
大手百貨店や大学、サークルなど、今まで受けた依頼も数知れず。多忙な日々を過ごしてきました。
そうして一昨年、その60年有余年にわたる歴史に幕を下ろしました。
今は要介護ですが、ヘルパーさんやデイサービスを活用して、亡き夫と過ごした、愛着のある自宅でひとり暮らしをしています。
近年は新しい生徒さんを迎えることをストップしていたので、気付けば生徒さんも皆さんご高齢になりました。
それでも教室を閉じた後も自宅に通ってくれて、糸通しもままならなくなった叔母の生活まで何かと見てくださっています。
私も通院やお墓参りなどで一緒にでかけます。
「お母ちゃんに着せてた服を改良して新しく商品化しようと思うの。見てアドバイスちょうだいね。」
「それはいいね!是非見せてね。」
実際試作品を持って行っては細かいところをアドバイスしてもらいました。